私は、ハイスコーププログラムの導入支援に携わらせていただいております。

私自身が出産・育児を経て子どもに対する意識が高まる中で、日本の子どもたちの自己肯定感が諸外国に比べて低いことを憂いておりました。そのような中でハイスコープと出会い、他者と比較せずに1人1人の強みにフォーカスするという見方や、大人の思い通りに行動した時のみ褒めるのでなく、子どもが等身大で出来たことをありのままに認め、自分で自分を評価できるようにして自己肯定感を高めるという、大人から子どもへのかかわりのアプローチに強く共感いたしました。

子どもは、自分の興味のある遊びをパートナーの大人に支えられながらするときにこそ、多くの学びが得られるとハイスコープでは考えられています。保育者は日々の遊びの中での様子から、子ども１人１人の興味・関心や発達段階を捉え、それらに基づいて日々の活動を計画し、実行し、振り返りを行い、反省に基づいてまた新しい計画を立てます。だからといって、ハイスコープでは子どもたちが好きなことばかりをしている、という訳ではありません。

１日の中で行うルーティーンの中には、自分の遊びを計画し、実行し、振り返りをするプラン・ドゥ・レビューで自主性を育みながらも、集団性を身に着ける活動や、大人が計画的に新しい経験をさせる活動があり、就学や社会生活に向けた準備として、とてもバランスが取れているプログラムです。

また、子どもたちが見通しを持てるようにすること、視覚的にわかりやすくすること、文化的な多様性を反映させることを大切にしているハイスコープを実践することで、さまざまな発達や文化的背景のある子ども達が安心して過ごせ、互いの多様性を認め合いながら、自分のペースで成長することが可能になります。

みらいくLabでは、上記のことを踏まえ、ハイスコープに対する共通の認識と目標を保育者同士や園とご家庭が持てるように願いをこめ、次の目標を制定いたしました。

ハ 発見は遊びの中から
イ いろいろあっていい
ス 好きを見つけてのばそう
コ 子どもと大人はパートナー
プ プラン・ドゥ・レビュー（計画・実行・振り返り）

みらいく保育園では、2021年からハイスコープを段階的に導入しはじめています。子どもたちの変化として、言葉が増えたり、臆することなく自分の考えをしっかり表現するようになったり、自分で考えて問題を解決する姿がより多く見られるようになりました。このような子どもたちの成長から自信を感じてくださっている先生方も少なくないと思います。また、保護者様からもご家庭での成長の様子について、うれしいご報告をいただくことが増えました。

ハイスコープを通じて、保育園と家庭が連携し、共に子どもたちの成長を支えていくことを願っております。