子どもたちがこれから育っていく過程や、大人になったときに必要とされる力、子どもたちの根っことなって未来を豊かに切り開いていける力ってなんでしょう?
この世に生まれてほんの数年の乳幼児期に私が本当に経験させてあげたいことは、(大人が)教えるよりも(子ども自身が)感じることです。自然の中で新しい発見をすること、未知なるものに触れて感激すること、美しさに目を見はること、不思議さに好奇心をもち、夢中になること。その全ては子どもたちの遊びや普段の生活の中にあります。
心地よく安心できる大人や環境の中で夢中になって遊ぶことこそ、乳幼児期にもっとも必要なことだと私は思っています。例えば、ダンゴムシが丸まることに驚きと喜びの声をあげるのも、とにかくダンゴムシを集めたくなって探し回るのも、落ち葉やプランターの下にいることに気が付いて友だちと協力してプランターを動かして回るのも、集めたダンゴムシを数えるのも、ダンゴムシにも食べるものが必要だと考えるのも、みんな遊びの中にあります。
その発見や喜び、驚き、好奇心、時には落胆や悲しみに大人たちは寄り添いながら一緒に感じていきたい。それが子どもたちの主体的な学びを支えます。
自然の中にある命たちは留まることなく巡り、他の命たちと繋がりながら成り立っています。そしてみんな違う。難しい知識はいりません。子どもたちが実体験の中で感じて「やってみたい」「なんで?」「もっと知りたい」と感じて得たことや、様々な感情の一つ一つが、学びの根っことなって力強く子どもたちを支えていくことでしょう。
私も子どもが生まれつき持っている「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」を、自然や子どもたちの力を借りながら持ち続けていきたいと思っています。